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日本人高校生のアメリカ留学&SAT

SATの勉強の日々を振り返って… 特に Critical reading でどうやって点をとるか、普通の日本の高校生として考えたことを書き残しておきたいと思います。 SATを受ける人たちの参考になれれば幸いです。 ついでにTOEFLとアメリカの大学出願プロセスにも触れようと思ってます。 こっちについてから結構経ちましたのでついでにアメリカ大学体験記的なことも。

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共同研究

まだ二月だというのにColoradoSpringsでは暖かい日が今月の頭ごろから続いています。
昨年は、このあと三寒四温がずーーーーーーっと続いたあとに気づいたら春を通り越して夏になっていた、という感じでした。
山の天気は変わりやすいとはよく言ったもので、ここでは天気が気まぐれなので天気予報を見る習慣など無くなり、毎日臨機応変に生活するようになりました。
今年はどういう風に四季が変わっていくのだろうかなどと頭を悩ませるのも馬鹿らしいので、私はいつもどおりColoradoCollegeという名の小さな”Bubble”の中で好き勝手やっています。

私が「大学」と聞いて連想するのは私の所属するColoradoCollegeのような周りとの接触を断った”Bubble"ですが、一般的にはどうでしょうか。
アメリカ人が「College」と聞いて連想するのは 、汚い大学生のアパートやDorm Room内での安くて不味いビールの飛び交うパーティー、マリワナを吸って意識朦朧の状態で出席する授業、Hook-upする為に聞き飽きたポップしかかけないGreekパーティーに酔っ払って行く、等等です。
これは特に大学生活を懐かしむ社会人や大学生活に(若干歪んだ)期待を抱く高校生に言えることはないかと思います。
ですが、当の本人、大学生たちは異なる見解をもっている、というのが私の周囲で見られることです。

前々から書いてきたように、アメリカ大学ではサークル活動(Student Organization)がかなりさかんで、生徒はコースのための勉強に加えて、それぞれ「ミッション」を持って生活しています。
それはチャリティーイベントの企画であったり、ヨガのワークショップの立ち上げであったりします。
私はというと、二年生になってからはサークル活動はさっぱりやっていないのですが、その代わりに教授との共同研究に時間を割くようになりました。
いくらStudent-to-Faculty-Ratioが小さいと言っても教授の数は限られているので、誰でもやろうと思えばできるようなことでは無いのですが、このStudent-Faculty-Reseachはアメリカ大学を特徴付ける上で大事な要素であると思っています。
今月の記事はStudent-Faculty-Researchについて私の経験も交えながら書かせていただきます。


Student-Faculty-Researchとは和訳すると「生徒と教授の(共同)研究」ですが、これは日本の大学では聞きなれない言葉ではないかと思います。
これは、日本の優れた大学は教授というのは教育者よりも研究者としての性格が強く、学部(Undergraduate)の教育に十分な注意を払っていない上に、大学側から教育よりも研究で成果を上げることを期待されていることが原因になっているのではないでしょうか。
IvyLeagueやUCを含む州立大学は日本大学のような傾向が強いようですが、教授の代わりに大学院生を利用するなどして、学部生がなんらかの形で研究の経験を積めるような制度を整えてあるそうです。
私がこれを述べるのは見えていた方も多いでしょうが、リベラルアーツ大学のような小規模の大学では学部生が研究に参加するのはかなり盛んで、ColoradoCollegeではサイエンス系や経済学・心理学などの実学的な意味合い学部の生徒の約二人に一人が卒業までに共同研究を一度は経験するようです。


「研究」というと大層な響きがありますが、ほとんどの場合は教授が生徒に指示を与え、生徒は言われたままに動くという、「研究」というよりは「労働」な傾向が強いので"Faculty-mentored-Research"と呼ばれることがしばしばあります。
現在、私は新任の有機化学の教授の元で研究させてもらっているのですが、やはり知識・経験において独立して研究するにはほど遠く、教授にアドバイスを頂かずには特に何もできないというのが素直な感想です。
ですが、これはある種の勉強であるととらえるべきだと思います。
一口に研究を始めるといっても、豊富な専門知識だけでは何もできません。
研究資金がまず必要ですし、研究課題の決定、研究の進め方、研究においての思考プロセス、研究内容のまとめ方、など知らなくてはならないことが星の数ほどあります。
私は研究を始めてまだ二ヶ月も経たないのですが、研究に役立つオンラインのリソースの使い方、実験の基礎知識など、授業だけでは学ぶことが無かったであろうことを知ることができました。
さらには、助成金獲得のためのレポートの書き方を教えてもらい、つい先日$1,000の研究資金を得るという金星を上げました。
今月末には化学デパートメントの報告会で現時点での研究成果についてのプレゼンをすることになっていたり、来月は教授のコネを使って大きな研究所にある高価な実験器具を使う予定があったりと、自分の学者としての行動範囲が広がっていくのに充実感を覚えます。
これは私のように研究者を志している生徒にしか言えないことかも知れませんが、教授と頻繁に意見を交わすことで学者、さらには教育者に必要な素質の理解を深めることもできました。


私がここまで挙げた事は研究者になりたい人がキャリア(もしくは趣味)のためにすることのように見えるかもしれませんが、私のメンターによると理系ならば研究の経験があったほうが大学院に入るのも就職でも大きく有利になるそうです。
こないだメンターに「二年生のころからこれだけ研究したなら大学院は行きたいところにどこでも行ける」と言われました。
それと、毎日会って話しているうちにメンターとより打ち砕けた関係になるので、推薦状に困ることはありません。
先日、夏休み中の研究プログラムのために推薦状が要ると言ったら、一週間しないうちに書いてくれました。
推薦状というのは大学後の進路だけではなく、インターンシップを取るのにも必要不可欠なのでこれは非常に助かります。


また、共同研究に似た、「共同勉強」とでもいいましょうか、"Independent Studies"というプログラムもあります。
教授が生徒に何を勉強すればいいのか、というアドバイスを与え、生徒はそれにしたがって自主的に勉強するので”Independent Studies"と呼ばれているだけで、生徒が完全に”Independent"に勉強するわけではありません。
これは普通大学では教えられていない、より専門性の強い事柄を勉強したい生徒が専門の知識を持った教授に直接頼んでやるというのが通例です。
「共同勉強」も研究に似た性格があるので、研究ほどではありませんが、レジュメ写りが良いのは確かです。
研究するほどの知識も自信も興味も無いけど、レジュメに残って大学後の進路のためになるような何かをしたい、というセコイ生徒は四年生のときに"IndependentStudies"をやる傾向があります。
こんな生徒のニーズに答えられるのもLiberalArtsCollegeの美徳なのかなぁー、としぶしぶ納得しています。


また、サイエンスに限らず、社会科学系、文学系でも、学者になることを目指している生徒たちは積極的に教授との共同研究、もしくは共同勉強に参加しているようです。
ColoradoCollegeでは経済学・精神科学・文化研究学などの学部でそのような傾向がみうけられますが、他の大学でどうなのかは不明です。


このようにアメリカ大学、特にリベラルアーツ大学では学部生が研究に関わり、普段の授業からは学ぶことのできないことを学び、さらにはそれを将来に活かせるような環境が整っています。
このアメリカ大学の性格はアメリカ大学を選ぶ上での決定打となりうるほど素晴らしい、と個人的には思っています。
もちろん研究はそれなりに集中して時間をかけないと成り立ちません。
クラスのための勉強だけですでに時間が限られていることもあり、二者択一とは言わないまでも、研究を始めたらStudentOrganizationに参加するのは難しくなるでしょう。
ですが、研究もサークル活動と同じように充実感のあり、自身のためになる事です。
大学進学でアメリカを取るか日本を取るか考える際には、アメリカ大学にはこのような優れた側面があるということも考慮に入れてください。
この記事を読んでアメリカの大学に少しでも興味を抱いていただければ幸いです。それではまた。

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無題
お久しぶりです。
以前大学選び等でご相談させていただいたaonaです。あのときには大変お世話になりました!!! 実はaklydonさんが下さった奨学金に関するアドバイスのおかげで、私の進路は「州立のlacかなるべく安い私立のlac→自分にあった質の私立のlacで奨学金をとる」というものに大きく変わり、おかげさまで無事に秋からはBeloit Collegeに進学することが決まりました。大学調べの際にはかなり悩んでいたのですが、実際に大学生をされているaklydonさんからの色々なアドバイスによってかなり大学のイメージも掴めるようになり、慎重に満足のいく大学絞り込みができました。今の私はBeloitにfall in loveしていて(笑)大学に行くのが楽しみでたまりません!
キャンパスでの生活をブログで伺うたびに期待が(少しだけ不安も)膨らみます♪お世話になったことを忘れずに、向こうでも勉学に励みながら大学生活満喫してきます!! この度はどうもありがとうございましたm(_ _ )m これからもブログたのしみにしています!!
Aona URL 2011/04/07(Thu)10:24:24 編集
Aonaさん
良い大学に入れて良かったですね。BeloitかColorado Collegeのどちらにするか最後まで悩んでいた大学の友人がいて、優秀な大学だと聞いています。
今から大学始まるまで時間があるので日本での最後の時(笑)を満喫してください。
もし良かったら「合格体験記」的なものを書いていただけますか?E-mailで送ってくださればこのブログに記事として載せるので。
もしくは、この際ブログを始めてはどうですか?日本の高校生がアメリカ進学しないのは色々と理由はありますが、実際の体験が情報として入ってこないのが大きいと思います。私がこのブログを始めたのもそういった動機からで、Aonaさんには実際に活用してもらってこの上なく嬉しいです。
気が向いたらでいいので、未来の留学生のために何か書き残してくれるとありがたいです。
aklydon 2011/04/10(Sun)13:28:14 編集
無題
akldonさん、お返事どうもありがとうございます!

実は、去年にグルー基金を受けると決めるあたりから細々と書いているブログがありまして("URL"のところから飛べます)そこで受験生活?をつづっております^^aklydonさんなどの先輩方のブログでものすごく助けて頂いたので、私も同じ進路を目指す後輩の役に立ちたいと思い、なかなか良い情報を流せているわけではありませんが、自分なりにちょこちょこかいています。
考えてみたら、合格体験記的な形で受験を振り返ってまとめた記事はまだ自分のブログでもやっていないんだなと気付きました。今から書いてみて、今週か来週にでもぜひaklydonさんに送らせて頂きますm(_ _)m ご親切にどうもありがとうございます!!
お時間のある際に、私のメールアドレス(igasasak7341@yahoo.co.jp)にakldonさんのアドレスを送って頂いてもよろしいでしょうか>< お手数かけてしまいすみません;; 宜しくお願いしますm^^m
Aona URL 2011/04/12(Tue)12:45:51 編集
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プロフィール
HN:
aklydon
年齢:
34
性別:
男性
誕生日:
1990/01/01
職業:
大学生
趣味:
チャリ
自己紹介:
日本の公立高校からColorado Collegeに進学して、現在二年生終えたところです。来年からReed Collegeに編入します。

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