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日本人高校生のアメリカ留学&SAT

SATの勉強の日々を振り返って… 特に Critical reading でどうやって点をとるか、普通の日本の高校生として考えたことを書き残しておきたいと思います。 SATを受ける人たちの参考になれれば幸いです。 ついでにTOEFLとアメリカの大学出願プロセスにも触れようと思ってます。 こっちについてから結構経ちましたのでついでにアメリカ大学体験記的なことも。

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夏季休暇/トランスファー

ご無沙汰しています。アメリカ大学は現在今年度の末期です。  ゴールデンウィーク明けで まだ寝ぼけ眼な日本の大学生とは対照的に、アメリカの大学生は帰省の準備やら期末試験やらで異常なほど忙しくしています。私の在学するColorado Collegeはつい先日期末試験を終え、昨日から夏休暇に入りました。私はインターナショナル生なので休暇中も大学に残ることを許されているからよいのですが、原則、夏季休暇中は生徒は大学に残ってはいけないことになっています。なので、周りの人たちは(年度末の祝い酒からの二日酔いに耐えながら)嵐のように部屋の片付け、荷造りをして昨日出て行きました。今はインターナショナル生が十数人、サマーコースを取る予定の生徒、その他の理由で残っている生徒が残っているだけなのであれだけ騒がしかったキャンパスも今は散々としています。来週の頭にある卒業式を終えれば四年生たちも町から出て行くので一段と寂しくなります。年度初めが出会いの時期なのとは対照的に、年度末は別れの時期だということを改めて感じされられます。

私も今年度限りでColorado Collegeを去ることになりました。Freshmanとして受験したときからの志望校であるReed Collegeにトランスファー合格し、来年度からはReedに通うことに決めたからです。前々から行きたいと思っていたところですから嬉しいわけですが、Colorado Collegeでの友人・お世話になった教授達と別れることになると思うと素直に喜ぶことできないです。同じアメリカとは言ってもコロラドとオレゴンは北海道から種子島ほど離れています。コロラド大学の人たちに会うことは滅多になくなると思うと、日本を出たときのような寂しさがまたこみ上げてきます。

Aonaさんにインスパイアされて今回は私の合格体験記を書こうと思っていたのですが、(二年も前のことを思い出して書くのは面倒なのと)トランスファーと夏季休暇という単語がでたのでそれらについて少し話そうと思います。この二つの事柄は日本からアメリカに留学しようと思っている人たちも興味を持っていると思うので、記憶に新しいうちに書いておくのが吉かと。トランスファーと夏季研究のための準備はクラスのための勉強なみに私が時間をかけたもので、そこから学んだことも数あったのでこれは今学期のサマリーだと言ってもあながち間違いではないです。まずは、私がトランスファー・夏季研究のために具体的に何をしたかのリストを挙げておきたいと思います:

(トランスファー)
Oberlin College
Reed College
Rice University
Swarthmore College

(夏季研究)
数学のプログラム:9つ
化学のプログラム:6つ

夏季研究は普通は8~10個のプログラムに応募するのですが、私は貴重な貴重な夏休みを数学のために犠牲にするのかそれとも化学のために犠牲にするのか出願時点では決めていなかったので計15のプログラムに応募することになりました。これは明らかにやりすぎで、やたらめったら時間がかかりました。各プログラムごとに1・2ページほどのエッセイを書くだけだったのでなめてかかっていたのですが、数が15ともなると積み重なって結局大量のエッセイを書くことになってしまいました。結果は、化学のプログラムは全部不合格で、数学は5個だったか6個だったかに合格して、その中の一番行きたかったVirginia Institute of Technologyにある研究所に行くことにしました。化学は研究の経験があるのでひょっとしたら合格するのではないかと思っていましたが、化学のコースは2,3個しかとっていなかったのでやはり駄目でした。それに対して、数学は研究はしたことが無かったのですが、上級コースを結構取っていたのと、教授のコネがあったので第一志望に合格できました。汚く聞こえますが、コネは大事です。意外かもしれませんが、サイエンスでもコネは大事です。日本と同様、アメリカ人もコネ作りは怠りません。これは多分数少ないUniversal Valueの一つな気がします。

あと、ほとんどの学部生用の研究プログラムは政府が資金支援しているので条件が素晴らしいです。私のプログラムは10週間で交通費、大学での宿泊・飲食費は向こうが負担してくれて、その上に給料を合計で$3,500もらえます。ただ、政府の資金支援のデメリットとして、International生に対しては条件が極端に悪くなります。要はアメリカ人以外に割く金は無いってことです。今年はアメリカで教育・サイエンスへの資金援助額が減ったので例年と比べても悪かったようです。

夏季研究についてはこれくらいなので、本題(?)のトランスファーに移りたいと思います。上記の四校に出願して、ReedとRiceには合格して、Swarthmoreは不合格、OberlinはWaitlistでした。ReedとRiceからはFinancial Aidはやはりトランスファーなので現在より額が減ったものの悪くはないオファーでした。前々からReedに行きたいと思っていたのですが、在学中の大学の教授達に残ってほしいといわれて散々悩みました。

出願プロセスはFreshman出願の時と同様で、大学を絞って、エッセイを書いて、必要な書類を送って、といったかんじです。すでに一度やったことの繰り返しだったのと、やはり周りのサポートもしっかりしているのでFreshmanのときよりは効率良くこなせましたが、やはり大変な作業でした。これについては後でもう少し詳しく書きます。トランスファー出願で異なるのは、大学の選択の幅がだいぶ狭まることだと思います。大学によってはトランスファー生に対してはFinancial Aidを出さない、もしくはトランスファー生はほとんど取らない等があるのでその辺りは注意しました。幸い、行きたいと思うようなところのいくつか(Reed, Swarthmore)はトランスファーを割りと多く取るようだったのですが、Carleton、Pomonaはほとんどトランスファー生を取らないので諦めました。代わりに、OberlinとRiceに出願したのはOberlinは割と小規模のリベラルアーツ大学だからで、Riceはリサーチ大学ですが、Residential College Systemがある上に、学費が安めだからです。最初のうちはCornell、Chicagoも考えたのですが、やはり自分には小規模大学の方があっていると思って、出願しませんでした。結果的には後悔しない出願先の選択だったと思います。トランスファーの動機としては、ここに書くのは若干場違いなのですが、Colorado Collegeの学業の面での学風は自分にはあまり合っていなかった、とだけ言っておきます。

トランスファーの出願の締め切りは春学期のちょうど真ん中頃で、結果は春学期が終わる頃にでます。これは大学側がFreshmanを資金・定員の面で優先するからで、Transfer生はFreshmanで埋まりきらなかった穴を補うために取るようです。

新しい大学に返答したのがつい最近なのでまだスケジュール等詳しいことは分からないのですが、Freshmanのオリエンテーションと同じ頃にTransferのオリエンテーションもやってくれるようです。また、トランスファー生がメンターとして付いてくれて、転校生としての生活が上手くいくようにサポートしてくれると聞きました。また、編入先の大学に問い合わせたところ、私がColorado Collegeで取った単位は全て移り、なおかつLiberal Arts College特有のHumanities, Social Sciences, Language, Writingと言った卒業に必要な特別な単位として認めてくれるということでした。トランスファーすると単位が移らないことがある、とよく聞いていたのでこれには少し驚きました。ただ、私の場合はもう一年で卒業するのに十分なほどの単位を持っていたのですが、Reed大学のトランスファー生に対するルールとして、トランスファー生は最低二年間Reedで勉強しないと卒業できない、とあるので大学を計三年間で終わらせるのは不可能になりました。まだ勉強したいことが沢山あり、元から四年間目いっぱい勉強するつもりだったので、大した痛手ではありませんでしたが。

ここまで私のトランスファーの経験の表面的な部分はこれで十分だと思うので、ここからはトランスファーする過程で私が考えたことを書き留めて生きたいと思います。まず、トランスファー合格した、夏季研究のプログラムに合格した、と簡単に述べましたが、これらを成すのは決して容易くはなかったです。年度末ともなると話のトピックは今年度の回想になることが多いのですが、私の今学期の様子を聞くと大抵の人は私を四年生だと勘違いします。というのも、今学期の私は四年生が取る様なコースを取っていた上に、化学の研究をやっていて、また、数学・化学のチューター&数学の宿題の採点を仕事としてやり、さらには忙しいから学食には行かずに自前のサンドイッチばかり食っているという、まぁ、言われてみれば卒業まで二年も残している人間の行動スケジュールではないわけです。教授ですら私の忙しさに呆れていた・私は今年限りで卒業すると思っていたといえば私の今学期がどのようなものだったかうかがえるのではないかと思います。その上に、トランスファーと夏休み中の研究のために、推薦状を教授に頼んで回ったり、大量の出願エッセイを書いていたので、毎日張り詰めた生活を送っていました。私が大変忙しくしている様子を見た友人には「お前は早く死ぬ計画でもあるのか」と言われました(笑。あと「日本人の鏡」だとか言われたりして、ステレオタイプに飽き飽きしつつも、自分に日本人の血が流れていなかったら多分これだけの量をこなすのは無理だったろうな、と思って日本人のDNAに感謝もしました。

楽なコースを取ってもっと出願に時間をさくことは可能だったのですが、トランスファーしてから二年間で確実に卒業するためにはレベルの高いコースを今年中に取っておく必要があったのです。トランスファーすると単位が移らなかったり、大学ごとに異なる卒業の条件があったりするので、トランスファーすると普通は学位取得に計四年以上かかるといわるのはこのようなことからです。

大学に四年以上の時間をかける経済的な余裕があるならば、私のように切り詰めたスケジュールの中で生活する必要はないので、トランスファーはそれほどの苦では無いと思います。大学で四年以上勉強する価値はそのコストに見合ったものなのか、その答えは人によって異なり、その答えによって高い意識が要求されるかどうかが決定される、というのが私のオピニオンです。また、いずれにせよトランスファーすると決心するには強い意思が必要です。アメリカ人の場合は州立大学に通ったほうが安く済むからトランスファーするということがありますが、留学生の場合はよりレベルの高い大学に転校することが主な目的であること多いのでなおさらです。私自身を例に取ると、ColoradoCollegeはU.S. NewsReportで高いランキングに位置し、私は教授からも注目されていたので、ColoradoCollegeで残りの二年間を過ごしても、私の大学後の目標である大学院進学は難しくは無かっただろうと思います。ReedCollegeという競争のより激しいところへ移るという決心は、必要に迫られてではなく、自発的だったわけです。

こういったことを述べるのは、目標とするレベルより少し下のアメリカ大学に入っておいて、その後トップレベル校にトランスファーしようとしようと思っている日本人高校生を怖がらせようというのではないです。ただ、一つはっきりさせておきたいのは、Freshmanとしてでも、Transferでもトップレベル校に合格するには一定の努力をしなければいけないということです。普通の日本人高校生がアメリカのトップレベル大学にFreshman合格するのは並のことではない、というのは日本人のアメリカ大学留学の現状を少し知っている人なら分かってもらえると思います。そして、Transferなら「慣れる時間があるから」トップ大学に合格するのは楽だ、というのも少しは聞いた話だと思いますが、私はそれは間違いだと言っておきたいです。私がFreshmanとしてReedに合格しなかったがTransferとしては合格した、というのは確かですが、それは「慣れたから」だけではありません。私はTransfer先の大学にアピールするために一年生のときから難しめのコースを取り、二年生の時点で最もレベルの高い部類のコースを取れるように計画しました。二年生になった時点で、化学の研究を始め、通常のコースをこなしながら一年中続けました。アメリカに来てからも英語力を積極的に磨き、エッセイでもインタビューでも困らないようにしました。一年生の終わりごろから数学・化学のチューターや宿題の採点の仕事をこれも途切れること無く続けました。推薦状がいずれ必要になると分かっていたので教授との関係も常に意識していました。

  レベルの低い大学に行ったら幸せになれないなんてそんな馬鹿げたことは決してないですが、このよく見かける「とりあえず留学→トランスファー」の夢のような方程式は、聞こえほど甘くないと念頭に置いてください。むしろ、レベルの低い大学に行けば居心地がよくて結局そこで四年間過ごすなんてことの方が多くてもおかしくないと思います。これは実例も何にも無い、ただの私の予想ではありますが。居心地がよいのなら本人にとってはこの上ないですが、経済的な支援をしてくれる周りの人の期待を裏切ることにもなりません。私の経験から学んだことの一つとして、トランスファーをするつもりでアメリカ大学に留学するならば、始めから高い意識を保たなければ理想通りには行かない、とアメリカ大学を目指している日本の高校生のために、ここに書き残しておきたいと思います。

長文失礼しましたが、これで今回の記事を締めくくらせてもらいます。次こそは思い立って私のFreshman出願の体験記を書こうと思います。それではまた。
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無題
Reed college合格おめでとうございます。

公立高校から自力で学部入学を勝ちとって、入学後も自律の精神でもって授業、研究、仕事、教授との付き合いなど多忙の中で決められたノルマをこなしつつ、それらに加えてより良い学校への編入も勝ち取るというのは素晴らしいことですね。

このような体験談を共有して下さるのもとても有り難いです。これからも楽しみにしています。

P.S.
学部生が対象にも関わらず夏季研究で資金援助がたくさん貰えるのは何故ですか?例えば参加費は無料で実費負担という形ででも良いプログラムだと思いますが、その他もろもろの費用も全て負担してくれ、その上お金まで貰えるなんて意味が分かりません"笑

院生のようにRAをするという形でもなさそうですし、純粋な教育プログラムでこれだけの待遇を用意するというのは、アメリカが自然科学に力を入れているという証拠なのでしょうかね?院でも理科系の方が待遇が圧倒的に良いみたいですし、こういう現実的な問題を見ると理系に対する思いを捨てきれなかったりします"笑
TATA 2011/05/21(Sat)12:54:32 編集
サマーリサーチ
政府直接支援のサマーリサーチはREUと呼ばれていて、競争はそこそこ激しいのですが、条件が良いので理系の生徒はみんなこぞって応募してます。

なんでこんなに条件がいいのかはさっぱり分からないのですが、まぁ、アメリカがUndergraduateの理系教育に力を入れている証拠だと思っています。
理系、特に工学は研究の目的がものづくり商売のためなので院も条件が良い傾向がありますが、基礎系はそこまででもないようです。工学に関係した基礎系はやはり他より儲かるようですが。
aklydon 2011/05/22(Sun)01:07:26 編集
追加質問
今TOEFLの単語暗記が大体終わって、SATも半分ぐらいは覚えたので、TOEFLのライティング対策に本腰を入れようと思っているのですが、どうせならSATのessayにも対応できるようにしたいと思っています。aklydonさんはWritingに関する記事で「Essayについては何も言えません」とお書きになっていますが、受験当時そのような状況だったからこそ、どのようにして独学で克服されたのか教えて頂きたいです。

私は日本の大学受験のための英作練習は割とやりましたが、ご存知の通り京大は英作というより英訳ですし、阪大は自由英作ではあるものの文章の繋がりをそれほど意識する必要はないので、TOEFLやSATに対する身構えは全くできていません。ネイティブ用の参考書をやったところで消化できるか分からないけれども、かといって日本人用に書かれたSAT essayのための参考書などない、という感じでどれをやろうか迷っています。レベルが適当であればコメ欄でもおすすめされていたWriting Academic Englishをやろうかと思っていますが、何かおすすめはありますか?

ちなみにSubject TestはMath2とPhysicsにしようと思っています。(World Historyにも興味がありますが、どこも二科目提出で良いみたいですし、この二科目の方が安全だと思うので)。あと私の場合日本の大学も受けるので、一月にSATを受ける余裕はないので、チャンスは3回だけになりそうですorz
TATA 2011/05/22(Sun)23:28:36 編集
Re: 追加質問
SAT向けの英語の勉強は大変ですが、アメリカに行く前の英語力が高ければ高いほど、現地についてから英語が伸びると思います。投資する時間に対してリターンが見合わないと思うこともあるかもしれませんが、後になって努力した分、見返りがあるので頑張ってください。

SATのWriting Sectionに関してですが、受験当時は何がなんだかさっぱり分からなかったのですが、アメリカで二年間エッセイについて学んだことから今なら少しアドバイスできるかもしれません。少し考えてから書きたいのでコメント欄ではなく、記事として回答を載せたいと思います。

私もMath2とPhysicsを受けました。アメリカの数学と物理の教育は(平均的に)日本よりレベルが低いので、得点が相対的に決定されるSATでは満点が取りやすい科目なので、時間が無いTATAさんにとってはちょうど良いのではないでしょうか。World History、Literature等は日本の教育では決して勉強しないようなものが出てくるので、勉強する価値もあると思いますが。

日本の大学とアメリカの大学両方受験するということで忙しくなると思いますが、まだ時間もあるので計画的に頑張ってください。
aklydon 2011/05/23(Mon)02:49:14 編集
無題
こんにちは

以前からブログを見ています。
コロラドカレッジで難しめのコースを取ったということですが、コロラドカレッジで取ったクラスを全て箇条書きのような形で教えていただけますか。どのようなコースを取ったのか非常に興味があります。
john 2011/06/22(Wed)10:43:21 編集
Re: john
コロラドカレッジで取ったコースは
Math: Multivariable calculus, Probability, Mathematical Statistics, Number Theory, Linear Algebra
Chemistry: Organic Chemistry, Inorganic Chemistry, Research
Physics: Modern Physics
Biology: Microbes, Ecology, Cell Biology
Others: History of Africa and Europe, Spirit & Nature, Comparative literature of Asian Americans, Geology
といった感じです。参考になれば幸いです。
aklydon 2011/09/06(Tue)16:50:29 編集
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プロフィール
HN:
aklydon
年齢:
34
性別:
男性
誕生日:
1990/01/01
職業:
大学生
趣味:
チャリ
自己紹介:
日本の公立高校からColorado Collegeに進学して、現在二年生終えたところです。来年からReed Collegeに編入します。

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