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日本人高校生のアメリカ留学&SAT

SATの勉強の日々を振り返って… 特に Critical reading でどうやって点をとるか、普通の日本の高校生として考えたことを書き残しておきたいと思います。 SATを受ける人たちの参考になれれば幸いです。 ついでにTOEFLとアメリカの大学出願プロセスにも触れようと思ってます。 こっちについてから結構経ちましたのでついでにアメリカ大学体験記的なことも。

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夏季休暇/トランスファー

ご無沙汰しています。アメリカ大学は現在今年度の末期です。  ゴールデンウィーク明けで まだ寝ぼけ眼な日本の大学生とは対照的に、アメリカの大学生は帰省の準備やら期末試験やらで異常なほど忙しくしています。私の在学するColorado Collegeはつい先日期末試験を終え、昨日から夏休暇に入りました。私はインターナショナル生なので休暇中も大学に残ることを許されているからよいのですが、原則、夏季休暇中は生徒は大学に残ってはいけないことになっています。なので、周りの人たちは(年度末の祝い酒からの二日酔いに耐えながら)嵐のように部屋の片付け、荷造りをして昨日出て行きました。今はインターナショナル生が十数人、サマーコースを取る予定の生徒、その他の理由で残っている生徒が残っているだけなのであれだけ騒がしかったキャンパスも今は散々としています。来週の頭にある卒業式を終えれば四年生たちも町から出て行くので一段と寂しくなります。年度初めが出会いの時期なのとは対照的に、年度末は別れの時期だということを改めて感じされられます。

私も今年度限りでColorado Collegeを去ることになりました。Freshmanとして受験したときからの志望校であるReed Collegeにトランスファー合格し、来年度からはReedに通うことに決めたからです。前々から行きたいと思っていたところですから嬉しいわけですが、Colorado Collegeでの友人・お世話になった教授達と別れることになると思うと素直に喜ぶことできないです。同じアメリカとは言ってもコロラドとオレゴンは北海道から種子島ほど離れています。コロラド大学の人たちに会うことは滅多になくなると思うと、日本を出たときのような寂しさがまたこみ上げてきます。

Aonaさんにインスパイアされて今回は私の合格体験記を書こうと思っていたのですが、(二年も前のことを思い出して書くのは面倒なのと)トランスファーと夏季休暇という単語がでたのでそれらについて少し話そうと思います。この二つの事柄は日本からアメリカに留学しようと思っている人たちも興味を持っていると思うので、記憶に新しいうちに書いておくのが吉かと。トランスファーと夏季研究のための準備はクラスのための勉強なみに私が時間をかけたもので、そこから学んだことも数あったのでこれは今学期のサマリーだと言ってもあながち間違いではないです。まずは、私がトランスファー・夏季研究のために具体的に何をしたかのリストを挙げておきたいと思います:

(トランスファー)
Oberlin College
Reed College
Rice University
Swarthmore College

(夏季研究)
数学のプログラム:9つ
化学のプログラム:6つ

夏季研究は普通は8~10個のプログラムに応募するのですが、私は貴重な貴重な夏休みを数学のために犠牲にするのかそれとも化学のために犠牲にするのか出願時点では決めていなかったので計15のプログラムに応募することになりました。これは明らかにやりすぎで、やたらめったら時間がかかりました。各プログラムごとに1・2ページほどのエッセイを書くだけだったのでなめてかかっていたのですが、数が15ともなると積み重なって結局大量のエッセイを書くことになってしまいました。結果は、化学のプログラムは全部不合格で、数学は5個だったか6個だったかに合格して、その中の一番行きたかったVirginia Institute of Technologyにある研究所に行くことにしました。化学は研究の経験があるのでひょっとしたら合格するのではないかと思っていましたが、化学のコースは2,3個しかとっていなかったのでやはり駄目でした。それに対して、数学は研究はしたことが無かったのですが、上級コースを結構取っていたのと、教授のコネがあったので第一志望に合格できました。汚く聞こえますが、コネは大事です。意外かもしれませんが、サイエンスでもコネは大事です。日本と同様、アメリカ人もコネ作りは怠りません。これは多分数少ないUniversal Valueの一つな気がします。

あと、ほとんどの学部生用の研究プログラムは政府が資金支援しているので条件が素晴らしいです。私のプログラムは10週間で交通費、大学での宿泊・飲食費は向こうが負担してくれて、その上に給料を合計で$3,500もらえます。ただ、政府の資金支援のデメリットとして、International生に対しては条件が極端に悪くなります。要はアメリカ人以外に割く金は無いってことです。今年はアメリカで教育・サイエンスへの資金援助額が減ったので例年と比べても悪かったようです。

夏季研究についてはこれくらいなので、本題(?)のトランスファーに移りたいと思います。上記の四校に出願して、ReedとRiceには合格して、Swarthmoreは不合格、OberlinはWaitlistでした。ReedとRiceからはFinancial Aidはやはりトランスファーなので現在より額が減ったものの悪くはないオファーでした。前々からReedに行きたいと思っていたのですが、在学中の大学の教授達に残ってほしいといわれて散々悩みました。

出願プロセスはFreshman出願の時と同様で、大学を絞って、エッセイを書いて、必要な書類を送って、といったかんじです。すでに一度やったことの繰り返しだったのと、やはり周りのサポートもしっかりしているのでFreshmanのときよりは効率良くこなせましたが、やはり大変な作業でした。これについては後でもう少し詳しく書きます。トランスファー出願で異なるのは、大学の選択の幅がだいぶ狭まることだと思います。大学によってはトランスファー生に対してはFinancial Aidを出さない、もしくはトランスファー生はほとんど取らない等があるのでその辺りは注意しました。幸い、行きたいと思うようなところのいくつか(Reed, Swarthmore)はトランスファーを割りと多く取るようだったのですが、Carleton、Pomonaはほとんどトランスファー生を取らないので諦めました。代わりに、OberlinとRiceに出願したのはOberlinは割と小規模のリベラルアーツ大学だからで、Riceはリサーチ大学ですが、Residential College Systemがある上に、学費が安めだからです。最初のうちはCornell、Chicagoも考えたのですが、やはり自分には小規模大学の方があっていると思って、出願しませんでした。結果的には後悔しない出願先の選択だったと思います。トランスファーの動機としては、ここに書くのは若干場違いなのですが、Colorado Collegeの学業の面での学風は自分にはあまり合っていなかった、とだけ言っておきます。

トランスファーの出願の締め切りは春学期のちょうど真ん中頃で、結果は春学期が終わる頃にでます。これは大学側がFreshmanを資金・定員の面で優先するからで、Transfer生はFreshmanで埋まりきらなかった穴を補うために取るようです。

新しい大学に返答したのがつい最近なのでまだスケジュール等詳しいことは分からないのですが、Freshmanのオリエンテーションと同じ頃にTransferのオリエンテーションもやってくれるようです。また、トランスファー生がメンターとして付いてくれて、転校生としての生活が上手くいくようにサポートしてくれると聞きました。また、編入先の大学に問い合わせたところ、私がColorado Collegeで取った単位は全て移り、なおかつLiberal Arts College特有のHumanities, Social Sciences, Language, Writingと言った卒業に必要な特別な単位として認めてくれるということでした。トランスファーすると単位が移らないことがある、とよく聞いていたのでこれには少し驚きました。ただ、私の場合はもう一年で卒業するのに十分なほどの単位を持っていたのですが、Reed大学のトランスファー生に対するルールとして、トランスファー生は最低二年間Reedで勉強しないと卒業できない、とあるので大学を計三年間で終わらせるのは不可能になりました。まだ勉強したいことが沢山あり、元から四年間目いっぱい勉強するつもりだったので、大した痛手ではありませんでしたが。

ここまで私のトランスファーの経験の表面的な部分はこれで十分だと思うので、ここからはトランスファーする過程で私が考えたことを書き留めて生きたいと思います。まず、トランスファー合格した、夏季研究のプログラムに合格した、と簡単に述べましたが、これらを成すのは決して容易くはなかったです。年度末ともなると話のトピックは今年度の回想になることが多いのですが、私の今学期の様子を聞くと大抵の人は私を四年生だと勘違いします。というのも、今学期の私は四年生が取る様なコースを取っていた上に、化学の研究をやっていて、また、数学・化学のチューター&数学の宿題の採点を仕事としてやり、さらには忙しいから学食には行かずに自前のサンドイッチばかり食っているという、まぁ、言われてみれば卒業まで二年も残している人間の行動スケジュールではないわけです。教授ですら私の忙しさに呆れていた・私は今年限りで卒業すると思っていたといえば私の今学期がどのようなものだったかうかがえるのではないかと思います。その上に、トランスファーと夏休み中の研究のために、推薦状を教授に頼んで回ったり、大量の出願エッセイを書いていたので、毎日張り詰めた生活を送っていました。私が大変忙しくしている様子を見た友人には「お前は早く死ぬ計画でもあるのか」と言われました(笑。あと「日本人の鏡」だとか言われたりして、ステレオタイプに飽き飽きしつつも、自分に日本人の血が流れていなかったら多分これだけの量をこなすのは無理だったろうな、と思って日本人のDNAに感謝もしました。

楽なコースを取ってもっと出願に時間をさくことは可能だったのですが、トランスファーしてから二年間で確実に卒業するためにはレベルの高いコースを今年中に取っておく必要があったのです。トランスファーすると単位が移らなかったり、大学ごとに異なる卒業の条件があったりするので、トランスファーすると普通は学位取得に計四年以上かかるといわるのはこのようなことからです。

大学に四年以上の時間をかける経済的な余裕があるならば、私のように切り詰めたスケジュールの中で生活する必要はないので、トランスファーはそれほどの苦では無いと思います。大学で四年以上勉強する価値はそのコストに見合ったものなのか、その答えは人によって異なり、その答えによって高い意識が要求されるかどうかが決定される、というのが私のオピニオンです。また、いずれにせよトランスファーすると決心するには強い意思が必要です。アメリカ人の場合は州立大学に通ったほうが安く済むからトランスファーするということがありますが、留学生の場合はよりレベルの高い大学に転校することが主な目的であること多いのでなおさらです。私自身を例に取ると、ColoradoCollegeはU.S. NewsReportで高いランキングに位置し、私は教授からも注目されていたので、ColoradoCollegeで残りの二年間を過ごしても、私の大学後の目標である大学院進学は難しくは無かっただろうと思います。ReedCollegeという競争のより激しいところへ移るという決心は、必要に迫られてではなく、自発的だったわけです。

こういったことを述べるのは、目標とするレベルより少し下のアメリカ大学に入っておいて、その後トップレベル校にトランスファーしようとしようと思っている日本人高校生を怖がらせようというのではないです。ただ、一つはっきりさせておきたいのは、Freshmanとしてでも、Transferでもトップレベル校に合格するには一定の努力をしなければいけないということです。普通の日本人高校生がアメリカのトップレベル大学にFreshman合格するのは並のことではない、というのは日本人のアメリカ大学留学の現状を少し知っている人なら分かってもらえると思います。そして、Transferなら「慣れる時間があるから」トップ大学に合格するのは楽だ、というのも少しは聞いた話だと思いますが、私はそれは間違いだと言っておきたいです。私がFreshmanとしてReedに合格しなかったがTransferとしては合格した、というのは確かですが、それは「慣れたから」だけではありません。私はTransfer先の大学にアピールするために一年生のときから難しめのコースを取り、二年生の時点で最もレベルの高い部類のコースを取れるように計画しました。二年生になった時点で、化学の研究を始め、通常のコースをこなしながら一年中続けました。アメリカに来てからも英語力を積極的に磨き、エッセイでもインタビューでも困らないようにしました。一年生の終わりごろから数学・化学のチューターや宿題の採点の仕事をこれも途切れること無く続けました。推薦状がいずれ必要になると分かっていたので教授との関係も常に意識していました。

  レベルの低い大学に行ったら幸せになれないなんてそんな馬鹿げたことは決してないですが、このよく見かける「とりあえず留学→トランスファー」の夢のような方程式は、聞こえほど甘くないと念頭に置いてください。むしろ、レベルの低い大学に行けば居心地がよくて結局そこで四年間過ごすなんてことの方が多くてもおかしくないと思います。これは実例も何にも無い、ただの私の予想ではありますが。居心地がよいのなら本人にとってはこの上ないですが、経済的な支援をしてくれる周りの人の期待を裏切ることにもなりません。私の経験から学んだことの一つとして、トランスファーをするつもりでアメリカ大学に留学するならば、始めから高い意識を保たなければ理想通りには行かない、とアメリカ大学を目指している日本の高校生のために、ここに書き残しておきたいと思います。

長文失礼しましたが、これで今回の記事を締めくくらせてもらいます。次こそは思い立って私のFreshman出願の体験記を書こうと思います。それではまた。
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共同研究

まだ二月だというのにColoradoSpringsでは暖かい日が今月の頭ごろから続いています。
昨年は、このあと三寒四温がずーーーーーーっと続いたあとに気づいたら春を通り越して夏になっていた、という感じでした。
山の天気は変わりやすいとはよく言ったもので、ここでは天気が気まぐれなので天気予報を見る習慣など無くなり、毎日臨機応変に生活するようになりました。
今年はどういう風に四季が変わっていくのだろうかなどと頭を悩ませるのも馬鹿らしいので、私はいつもどおりColoradoCollegeという名の小さな”Bubble”の中で好き勝手やっています。

私が「大学」と聞いて連想するのは私の所属するColoradoCollegeのような周りとの接触を断った”Bubble"ですが、一般的にはどうでしょうか。
アメリカ人が「College」と聞いて連想するのは 、汚い大学生のアパートやDorm Room内での安くて不味いビールの飛び交うパーティー、マリワナを吸って意識朦朧の状態で出席する授業、Hook-upする為に聞き飽きたポップしかかけないGreekパーティーに酔っ払って行く、等等です。
これは特に大学生活を懐かしむ社会人や大学生活に(若干歪んだ)期待を抱く高校生に言えることはないかと思います。
ですが、当の本人、大学生たちは異なる見解をもっている、というのが私の周囲で見られることです。

前々から書いてきたように、アメリカ大学ではサークル活動(Student Organization)がかなりさかんで、生徒はコースのための勉強に加えて、それぞれ「ミッション」を持って生活しています。
それはチャリティーイベントの企画であったり、ヨガのワークショップの立ち上げであったりします。
私はというと、二年生になってからはサークル活動はさっぱりやっていないのですが、その代わりに教授との共同研究に時間を割くようになりました。
いくらStudent-to-Faculty-Ratioが小さいと言っても教授の数は限られているので、誰でもやろうと思えばできるようなことでは無いのですが、このStudent-Faculty-Reseachはアメリカ大学を特徴付ける上で大事な要素であると思っています。
今月の記事はStudent-Faculty-Researchについて私の経験も交えながら書かせていただきます。


Student-Faculty-Researchとは和訳すると「生徒と教授の(共同)研究」ですが、これは日本の大学では聞きなれない言葉ではないかと思います。
これは、日本の優れた大学は教授というのは教育者よりも研究者としての性格が強く、学部(Undergraduate)の教育に十分な注意を払っていない上に、大学側から教育よりも研究で成果を上げることを期待されていることが原因になっているのではないでしょうか。
IvyLeagueやUCを含む州立大学は日本大学のような傾向が強いようですが、教授の代わりに大学院生を利用するなどして、学部生がなんらかの形で研究の経験を積めるような制度を整えてあるそうです。
私がこれを述べるのは見えていた方も多いでしょうが、リベラルアーツ大学のような小規模の大学では学部生が研究に参加するのはかなり盛んで、ColoradoCollegeではサイエンス系や経済学・心理学などの実学的な意味合い学部の生徒の約二人に一人が卒業までに共同研究を一度は経験するようです。


「研究」というと大層な響きがありますが、ほとんどの場合は教授が生徒に指示を与え、生徒は言われたままに動くという、「研究」というよりは「労働」な傾向が強いので"Faculty-mentored-Research"と呼ばれることがしばしばあります。
現在、私は新任の有機化学の教授の元で研究させてもらっているのですが、やはり知識・経験において独立して研究するにはほど遠く、教授にアドバイスを頂かずには特に何もできないというのが素直な感想です。
ですが、これはある種の勉強であるととらえるべきだと思います。
一口に研究を始めるといっても、豊富な専門知識だけでは何もできません。
研究資金がまず必要ですし、研究課題の決定、研究の進め方、研究においての思考プロセス、研究内容のまとめ方、など知らなくてはならないことが星の数ほどあります。
私は研究を始めてまだ二ヶ月も経たないのですが、研究に役立つオンラインのリソースの使い方、実験の基礎知識など、授業だけでは学ぶことが無かったであろうことを知ることができました。
さらには、助成金獲得のためのレポートの書き方を教えてもらい、つい先日$1,000の研究資金を得るという金星を上げました。
今月末には化学デパートメントの報告会で現時点での研究成果についてのプレゼンをすることになっていたり、来月は教授のコネを使って大きな研究所にある高価な実験器具を使う予定があったりと、自分の学者としての行動範囲が広がっていくのに充実感を覚えます。
これは私のように研究者を志している生徒にしか言えないことかも知れませんが、教授と頻繁に意見を交わすことで学者、さらには教育者に必要な素質の理解を深めることもできました。


私がここまで挙げた事は研究者になりたい人がキャリア(もしくは趣味)のためにすることのように見えるかもしれませんが、私のメンターによると理系ならば研究の経験があったほうが大学院に入るのも就職でも大きく有利になるそうです。
こないだメンターに「二年生のころからこれだけ研究したなら大学院は行きたいところにどこでも行ける」と言われました。
それと、毎日会って話しているうちにメンターとより打ち砕けた関係になるので、推薦状に困ることはありません。
先日、夏休み中の研究プログラムのために推薦状が要ると言ったら、一週間しないうちに書いてくれました。
推薦状というのは大学後の進路だけではなく、インターンシップを取るのにも必要不可欠なのでこれは非常に助かります。


また、共同研究に似た、「共同勉強」とでもいいましょうか、"Independent Studies"というプログラムもあります。
教授が生徒に何を勉強すればいいのか、というアドバイスを与え、生徒はそれにしたがって自主的に勉強するので”Independent Studies"と呼ばれているだけで、生徒が完全に”Independent"に勉強するわけではありません。
これは普通大学では教えられていない、より専門性の強い事柄を勉強したい生徒が専門の知識を持った教授に直接頼んでやるというのが通例です。
「共同勉強」も研究に似た性格があるので、研究ほどではありませんが、レジュメ写りが良いのは確かです。
研究するほどの知識も自信も興味も無いけど、レジュメに残って大学後の進路のためになるような何かをしたい、というセコイ生徒は四年生のときに"IndependentStudies"をやる傾向があります。
こんな生徒のニーズに答えられるのもLiberalArtsCollegeの美徳なのかなぁー、としぶしぶ納得しています。


また、サイエンスに限らず、社会科学系、文学系でも、学者になることを目指している生徒たちは積極的に教授との共同研究、もしくは共同勉強に参加しているようです。
ColoradoCollegeでは経済学・精神科学・文化研究学などの学部でそのような傾向がみうけられますが、他の大学でどうなのかは不明です。


このようにアメリカ大学、特にリベラルアーツ大学では学部生が研究に関わり、普段の授業からは学ぶことのできないことを学び、さらにはそれを将来に活かせるような環境が整っています。
このアメリカ大学の性格はアメリカ大学を選ぶ上での決定打となりうるほど素晴らしい、と個人的には思っています。
もちろん研究はそれなりに集中して時間をかけないと成り立ちません。
クラスのための勉強だけですでに時間が限られていることもあり、二者択一とは言わないまでも、研究を始めたらStudentOrganizationに参加するのは難しくなるでしょう。
ですが、研究もサークル活動と同じように充実感のあり、自身のためになる事です。
大学進学でアメリカを取るか日本を取るか考える際には、アメリカ大学にはこのような優れた側面があるということも考慮に入れてください。
この記事を読んでアメリカの大学に少しでも興味を抱いていただければ幸いです。それではまた。

インターナショナル生

これ更新するたびに書いてる気がするんですが、大学生活にも慣れてきて記事書く(精神的な)暇が毎月一回くらいあります。
これも前に書いた気がするんですがColoradoCollegeはブロックシステムといって特別なセメスター制を採用していて、三週間半の間一つのコースだけを取り、それが終わったら次のコース、という風に年間8コース履修します。
三週間半で1セメスター分の勉強するのですから当たり前のように授業のペースは速く、朝九時から十二時まで授業を受けたあと短い昼食休憩のあとに実験室に日が沈むまで閉じこもり、終わったら寝るまで宿題をして間にバイトをねじ込むという毎日が続きます。
そして二日毎の小テストもしくは毎週の「中間テスト」、最終日に「期末テスト」があるというかんじです。

こうして三週間半結構しぼられるわけですが(やる気が特に無い人にとっては何でも三週間半で終わるという夢のようなシステムですが)、コースとコースの間には4日半の休暇が設けられます。
そうです。宿題も実験もプレゼンも無しの何でもやり放題の4日半です。
そして今、暇を最大限に生かし、私は友人と見ている映画を半分楽しみながらこうして一ヶ月に一つ記事を書くという自分で設けたノルマを果たすために頑張って忘れかけのつたない日本語を書いてるわけです。

今回は今一緒に映画を見ている人たちが全員インターナショナル生ということで、アメリカ大学のインターナショナル生について書きたいと思います。
インターナショナル生というのは日本語に訳すと「留学生」ですが、留学生というと交換留学生(Study Abroad Student)という意味のほうが強いのでインターナショナル生(International Student)と呼ばせていただきます。
(アメリカ大学でインターナショナル生というと海外出身で入学している生徒と海外からの交換留学生の両方を含みます。)
私の大学のインターナショナル生は総生徒数の3%です。はい少ないです。
IvyLeagueなどの大きい大学では10%超えるのはもちろん、MacalesterやMiddleburyなどのInternational/CulturalStudiesに力を入れているところは小さい大学でもそれくらいの数字になります。
ですが、私の入学した年から海外からの生徒のリクルートに力を入れ始めたようで、私の学年には30人(内8人は交換留学生)、一つ下の学年には同じ数の交換留学生を含めて40人のインターナショナル生が入学しました。
この調子で数を毎年50人まで増やしていき、数年後にはInternationalStudentsの割合を他のちゃんとした大学と同じように10%近くを目指すそうです。

なぜアメリカ大学は躍起になってインターナショナル生を集めるかというと、それは慈善事業などではなく、より良い教育のためです。
インターナショナル生が増えると大学でのいわゆるDiversityが増し、大学に異なった文化・固定概念・常識・見た目・その他多数が入るわけです。
海外出身の生徒のほかにも大学はMinority(ヒスパニック・アフリカ系・アジア系・その他いろいろ)も増やす努力をしています。
金銭面ではアメリカ大学にとってインターナショナル生を入学させるのはあまり美味しい話ではないです。
アメリカ人を入学させるのと違って、国からの援助金が少なくなるからです。
また、InternationalStudentsやMinoritiesは平均すると金銭的に恵まれていないことが多く、大学はFinancialAidの量を増やすことを余儀なくされます。
金銭的な問題にもかかわらず、EconomicDiversityを増やすために低収入家庭出身の生徒を優先的に入学させることもあるようです。
教育の観点からみると、金銭的なディスアドバンテージは多少無視してもいいのかもしれません。
まぁあまり上手く説明できないのですが、自分の経験からいうと、どんな形でも自分と異なった人と交流すると自分の価値観を根底から考え直し、より強いアイデンティティー・人間観の形成に繋がるのです。
これは学生同士の交流が深いリベラルアーツ大学(ResidentialCollege全般)で特に言えることです。

アメリカの大学というのはもちろん本来アメリカ人のために有るわけでDiversityを増やすのはアメリカ人の教育のためであると思われますが、実際のところ、インターナショナル生が得している部分が多い気がします。
どれだけ大学がDiverseといっても結局多数派(白人)が出てくるわけで、多数派の中で生活する少数派のほうが自身の価値観を考える機会が多いです。
また、インターナショナル生はインターナショナル生同士でくっつくことが多いので(私の大学だけでなく、どこの大学でも同じ傾向があるようです)、多様な文化への露出がアメリカ人より多くなります。
インターナショナル生同士がくっつくのは始めの内は正直問題だと思っていました。
せっかくアメリカに来てアメリカ人とそれほど交流しないのは問題だと思ったからです。
ですが、今ではアドバンテージだと思っています。インターナショナル生をアメリカ人から一人占めできるわけですから。

私は今異文化交流やグローバル化に関わること全般に重点を置いた十数人の小さな大学内コミュニティの中に住んでいるのですが、ここには様々な背景を持った人たちが住んでいるので皆がマイノリティです。
ですが結局アメリカ人同士、マイノリティ&インターナショナル同士でくっついて生活してる感があります。
香港人・フィンランド人・バングラデシュ人・スリランカ人・ドイツ人・そしてもはや複雑すぎてどこから来たかさえ分からない人数人に囲まれ、アメリカ人に向けてもったいないことしてるなーという目を向けながら毎日たのしく過ごしています。
今日は晩御飯を一緒に食べてるときに会話が各国の最近の虐殺の話に発展して楽しかった(?)です。
差別だか政治的理由だか理由はなんであれ、いろんな国で人が首を切られる話をしながら手で食べたバングラデシュ料理のチキン&太平洋の国々のデザートの味は、周りに特に何も無い小さな大学のインターナショナル生の生活を上手く閉じ込めていた気がしました。

という感じでアメリカでインターナショナル生やってるといろいろ楽しいです。
ではまた来月。コメントは返すように頑張ります。

新年度/単位制度

新年度が9月の頭に始まりまして、私も二年生となりました。
新年度と言えば桜を連想するものですが、ここはグレートプレーンズ、日本の様な四季は全く見当たりません。
秋と言えば若干緑が少なくなるくらいで十月になるとサンダーストーム(ie.ゲリラ豪雨)の日々が始まります。
そしてそれが終わると冬になり、嫌になるほど雪が降り、自転車以外に交通手段のない私(コロラドスプリングスに公共交通手段は事実上存在しない)は文字通り大学に閉じ込められるわけです。嗚呼、嫌だ嫌だ。

とはいってみたものの今年は憂鬱な事ばかりではない冬になりそうです。
アメリカの大学とは不思議なもので、順調に行けば11月に私は晴れて三年生になるようです。
今年の11月と言えばまだ私にとっては大学二年目の一学期の半ばです。要は大学滞在期間より一年先の学年になるわけです。
アメリカの大学では○年生というのは完全に持っている単位の数によって決められるのでこのようなことが起こります。
私は去年きっちり各セメスターごと4コース取った上に、夏季コースを3コース・冬季コースを0.5コース取り、さらにAP:CalculusBCのクレジットが2コース分あったので、今年度が始まった時点で約1.7年分の単位を持っていたわけです。
そんなわけで今年3コース終了させた時点で”三年目”に突入するわけです。
そのつもりはさらさらありませんが、来年も夏季コースを3コース取れば一年早く卒業してちょっと節約できる計算です。
来年Transferするときに結構な数の単位を失うことになるのでしょうが。

ちょっと自慢げに言ってみましたが、私のように4年未満で卒業できる人は山のようにいます。
その主な理由は高校からの単位です。(夏季コースを取る人はそうそう多くはないです)
APテストで高得点をとったり、IBカリキュラムを高校で履修してたりすると、高校の単位のなかで「大学入門レベル」と言えるコースの単位がそのまま大学に持ち越されるので、大学に入学した時点ですで二年生だったり、稀にですが、三年生だったりする人が出てくるわけです。

私は日本の進学校を卒業したのでもちろんアメリカ大学から高校の単位を認めてもらえるわけはなく、たまたま受験することのできたCalculusBCの単位だけを持って大学を始めることになりました。
ですが、アメリカ大学教育の入門レベルコースというのは全然大したことなく、実際、日本の高等学校教育の方がずっとレベルが高いです。
CalculusBCのテストもProgrammable計算機の使用必須、と受験用の冊子に書かれているのですが、Scientific計算機だけでも少し知恵を使えば満点に近い点数を取れました。
なので、高校の単位が認めてもらえないのはかなり悔しいです。
私の日本の高校の単位が大学入門レベルと認められたとすれば…
日本語=6コース分(入門から上級レベルまで)、数学=2コース分、化学=2コース分、物理=2コース分、生物=1コース分、世界史=1コース分、地理=2コース分
というわけで、16コース分、つまり二年分の単位がもらえるわけです。日本語を除いたとしても1.25年分。
日本の教育がアメリカの基準に沿っていないというだけでものすごい損をしてるわけです。
(卑しいですが、金額を計算すると、5万ドル×2年なので10万ドル、約850万円です。)

話は少しそれますが、よく日本の新聞記事等で「○○博士はあの名門ホンチャラカンチャラ大学をたったの二年で卒業し…」という言い回しを見かけますが、それって実は大したことじゃないです。
高校で私達日本の高校生の受けた教育に近いレベルの教育を受けた、ってことだけです。
日本人の感覚からすると「普通」なわけです。
日本の高校教育とアメリカの高校教育では目指すものが若干違うので一概には言えないのですが、大したことない物を誇大表現するなよ、って一言ジャーナリストに向けて言ってみました。

最後にですが、早く卒業できるほどの単位を持っていても卒業しない人がほとんどです。
やっぱり大学はする事が多くて楽しいですし、Financial Aidは単位の量にかかわらず4年分もらえます。
それに、卒業するとホンモノの社会が待っていますので卒業したくない気持ちもよく分かります。
私は卒業後に仕事に就くつもりは全くなく、大学院に進学するつもりですが、大学院になると周りの人間の多様さも選択できる授業の幅も減りますのでいつも「Undergraduate5年あったらいいのになー( ´ー`)」って思ってます。
やっぱり大学っていいとこです。

憂鬱な冬を目の前にして希望を振り絞って書きました。
それではまた。

一年を終えて+α…英会話(1)

半年くらい前にまた更新始めようと思ったのですがやっぱり忙しくて、と言うかなんか書くこと無いな~みたいな感じでまたサボってました。
そろそろ夏休みに入るので今度こそは続けて書こうと思います。

今までアメリカ大学の入試制度・対策的なこと中心に書いていたのですがアドミッションについて書くことは無いと思うので、これからはアメリカの大学での生活に絞っていきます。
こっちでの生活を始めるとやはり言葉の壁など困ることがいろいろあります。
日本にいるうちに練習・準備しておけば良かったと思う事もたくさん見つかりました。
こういったことのほとんどはアドミッションには直接関係ないのですが、アメリカ大学での生活を最大限に楽しむためということで書き留めておきたいと思います。
僕のアメリカに来てからの体験記を読んで旅立つ前の参考にしてくれる、もしくはアメリカの大学に興味を持ってくれれば幸いです。


体験記の一発目として英会話について話したいと思います。
SATとTOEFLものすごい頑張ったおかげでリーディングとリスニングではそれほどには困らなかったのですがその他の分野、スピーキングとライティングはこの一年かなり苦労しました。
こっちに着いたときにはもういわゆる日本人英語(e.g. I sink [=think] he is her bulazaa [=brother].)はもちろんしゃべっていなかったのですが発音を直すのが特に大変でした。
発音は「元気?最近どうしてた?」のときは特に気にしなくても大丈夫です。話すことは大抵一緒なので発音を多少間違えても相手は理解してくれるからです。
発音が問題になるのは納得させたいときや学問的な話をする時など、こちらの話の内容が相手には予想しづらい場合です。
そういうときに発音や文法のミスをすると興味を失われたり勘違いをされたりして真意が伝わらないことがあります。
発音ミスして「今なんつった?」で言い直して理解してくれなかったら最悪ですし分かってくれても「あぁ!それね」みたいな感じになると一気に会話が冷めます。
Th音の発音は慣れるまで難しいです。Thesisとか。「え?seesisって何?」って聞き返されなくなったのは最近になってからです。
あとrも。Libraryとか実はきれいに発音するのは難しいです。Yogurtのr発音するのは諦めてイギリス英語風に発音するようにしました。
日本にいたときはあまり気にしてなかったんですけど伸ばすAと伸ばさないAもかなり難しいです。たいていのAは伸ばすもんだと思ってPastaって言ったら食堂で「こいつ何言ってんの?そんなもん置いてません」みたいなかんじになりました。Vegetarianの発音の仕方はいまだによくわかんないんですがたぶんAで引っかかってるんだと思います。
学校では発音は汚くても伝わる!みたいな根性論臭のすることをよく教えられますがそれが通用するのは「ボブさん元気ですか?」「ああ元気だよキャサリン。そっちはどうだい?昨日車にはねられたらしいじゃないか」くらいのレベルまでです。オモシロい話や議論をするならやっぱり発音がきれいで分かり易くないと実のある言葉のキャッチボールはできないです。
理解できる発音は間違いなく練習しておいて損はないです。
英語ネィティブスピーカーのなかなか居ない、または居ても日本語アクセントの英語に慣れてしまっている日本で発音の練習ができるかと言えばまぁ無理だと思いますが…
僕の高校にいたアメリカ人の先生は僕の発音を全然注意してくれませんでした。発音について聞いても「君は発音がきれいだから気にしなくていいよ」的な事しか返してくれなかったです。(僕の発音がひどすぎてどこから始めたらいいか分からなかったためだと思います)
よほど辛抱強くて熱心な英語の先生を見つけられるなら話は別ですが、日本に居たまま完璧な発音を身に付けるのは不可能に近いというのが僕の見解です。
ということで…
日本に居るうちにやっておけばよかったこと〔その1〕:インターナショナルスクールで練習もしくは短期留学(Σ(´д`;) ニホンジャデキネェジャン)
プロフィール
HN:
aklydon
年齢:
34
性別:
男性
誕生日:
1990/01/01
職業:
大学生
趣味:
チャリ
自己紹介:
日本の公立高校からColorado Collegeに進学して、現在二年生終えたところです。来年からReed Collegeに編入します。

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